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天体の多様性① 惑星

更新日:2021年9月2日

 宇宙には地球や太陽を含めたいろいろな天体が存在します。「天体の多様性」シリーズでは、宇宙で観測されている天体について特徴とともにご紹介します。第1回目となる今回は太陽系の惑星についてです。


惑星の定義

 2006年8月にチェコのプラハで開かれた国際天文学連合の総会で惑星の定義が決定されました。惑星の定義は以下のようになっています。

  1. 太陽系の周りを回っている。

  2. 十分大きな質量を持つため、自己重力が固体としての力より勝り、その結果、重力平衡形状(球体)をもつ。

  3. 軌道近くから他の天体を排除している。

 以上の条件からこれまでは太陽系の惑星の一つとされていた冥王星が、惑星から外され準惑星という分類になりました。準惑星とは惑星の定義のうち1と2は満たしているが軌道付近から他の天体を十分に排除できておらず、衛星ではない天体のことを指します。冥王星は太陽を周回しており、十分に大きな質量を有していますが、観測技術が進化するにつれて冥王星のほかにも条件1、2を満たす天体が存在することがわかっていたため条件3が追加され、準惑星という新しい分類が作られました。


太陽系の惑星

 それでは太陽系の惑星の種類と特徴についてみていきましょう。太陽系には、太陽に近いほうから、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8つの惑星が存在しています。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。


WikiImagesによるPixabayからの画像


水星

 水星は太陽に最も近い惑星で、太陽系の惑星のなかでも最も小さい惑星です。そのため、重力が小さく、大気をほとんど保持できていません。水星はサイズは小さいのですが、密度が非常に大きく、これは内部構造が巨大な金属核と薄いマントルによって形成されているためだと考えられています。おもに固体岩石で構成されていることから、地球型惑星に分類されています。


金星

 金星は大きさと内部構造が地球に似ていることから「地球の兄弟星」と呼ばれることがあります。しかし、その表層環境などは地球とは大きく異なっています。金星の大気は厚い二酸化炭素の大気で覆われており、地表付近の温度はおよそ460℃という高温になっています。また、火山地形が多いことも知られています。金星は地球型惑星に分類されています。


地球

 私たちが住んでいる地球は表面に液体の水と大気中に多くの酸素を含むことから、多種多様な生物が存在しています。地球と似た生命が存在している領域をハビタブルゾーンと呼びます。地球はもちろん地球型惑星です。


火星

 火星の大きさは地球の約半分程の直径で、主に二酸化炭素で構成された大気を持ちます。しかし、質量があまり大きくないので大気圧は低く、6~9 hPa程度しかありません。また、火山地形や峡谷、クレーターなどが観測されています。火星には水が存在していた可能性が示唆されており、近年では火星開発の計画が進められています。火星は地球型惑星に分類されています。


木星

 木星は太陽系最大の惑星で多くの衛星を持っています。大きさは最大ですが、ガス惑星のため密度は小さいです。また、非常に強い固有磁場を持っていることが知られています。地球型惑星とは異なって、主成分がガスでできており、密度が小さく、巨大であることから木星型惑星と分類されています。


土星

 土星は木星の次に大きい惑星で、衛星も多く持っています。木星同様、ガス惑星のため密度は小さく、太陽系の中で最も小さい密度を持っています。木星と同様に木星型惑星に分類されています。


天王星

 天王星は太陽系の中で3番目に大きい惑星です。自転軸が98度傾いていることが知られていますが、なぜこのように極端に傾いているのかは判明していません。はじめは天王星も木星型惑星として分類されていたが、木星や土星と比べて組成が大きく異なることがわかったため、天王星型惑星に分類されました。


海王星

 太陽系の一番外側にある惑星です。天王星と同様、はじめは木星型惑星とされていましたが、現在では天王星型惑星と分類されています。




参考

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記事: Blog2 Post
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