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地震の発生メカニズム

更新日:2021年9月13日

地震は人間の生活に大きな被害を与える自然現象の一つです。読んで字のごとく、地震は地面が振動する現象です。では地面はどのようにして振動しているのでしょうか。


地震の発生メカニズムを考える前に、「地面が揺れる」とは物理的にどういう意味なのかを考えてみましょう。「揺れる」「振動する」ということは、「波」が関係していることを示しています。例として音の伝わり方を考えてみましょう。音は空気が振動することによって伝わる現象です。すなわち音は空気中を波として伝わります(この波を音波と言ったりします)。音の高さは音波の振動数によって決まり、音の大きさは音波の振幅によって決まります。音が発生すると、空気中を音波が伝わって、やがて私たちの耳へと入ってきます。


音の例をもとに「地面が揺れる」現象を考えてみましょう。音は音の発生源から波が発生し、空気が振動することで伝わりました。したがって、「地面が揺れる」ということは、ある場所に波の発生源があって、そこから地面を通して私たちの立っている場所に波が伝わってきた、と考えることが出来ます。この波は地震波と呼ばれています。では地震波はどのように発生しているのでしょうか。


実は地震波を発生させる現象はいくつか存在するのですが、今回は「地震」を引き起こす地震波の発生メカニズムについて紹介します。地震以外の地震波を発生させる現象は別の記事に書いているので興味のある方はぜひご覧ください。


地震はどのようにして発生するのかというと、岩石の破壊が関係しています。地球は、そのほとんどが岩石で構成されていると考えられています。その岩石に力が加えられることで歪が蓄積し、小さな割れ目が生じます。小さな割れ目はやがてつながり、最終的に大きな割れ目となって破壊が生じ、急激にずれ動きます。この破壊現象がまさに地震の震源です。また、岩石の破壊を起こした大きな割れ目は断層と呼ばれています。断層で岩石の破壊が起きると地震波が発生します。そして、発生した地震波は地球内部や地表を伝わって、私たちの立っている地面へ到達します。この時はじめて私たちは「地面が揺れている」と感じ、地震を認識するわけです。



最初に音波の例を挙げましたが、地震波にも振幅や周期はあり、これらはイベントによって異なります。一般的には振幅の大きさは私たちが感じる地震動の大きさに比例しており、振幅が大きいほど大きな揺れとして感じます。



参考文献

  • 長谷川昭, 佐藤春夫, 西村太志 (2015), 現代地球科学シリーズ6「地震学」, 共立出版株式会社

  • 纐纈一起 (2018), 「地震動の物理学」, 近代科学社





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